このソフトの考え方
後見会計処理の考え方
ルール1 財産1つに1つの名前
ルール2 財産の増減頻度に応じた対応
ルール3 出納帳に記載出来るなら出納帳へ記載
1 後見会計処理の考え方

(1)いろいろな会計処理の方法

 後見事務では、出納帳をつけます。お金の増減を記録するたも現金出納帳をつけます。簡明で直感的に利用することはできますが、日常生活の中では、出納帳には記載できないものも多くあります。例えば、借金50万円を免除してもらった場合・・・入居保証金(退所時には返却される)100万円支払った場合・・・

 「借金50万円を免除してもらって良かった」「入居保証金100万円を出納帳で出金して処理完了」・・・・自分のことであれば、それでも良いでしょう。管理がずさんであっても、あとになって「あの100万円はどうしたの?」なんて解らなくなっても「家のどこかにあるのだろうな・・・」と自分が自分を問いつめる意味もないのですから。

 ところが、現金出納帳で100万円の保証金を支出して、5年後返却されたときは出納帳に入金だけしたら、5年間100万円はどこにあるのでしょう。後見事務では、何時、誰に聞かれても答えられるようにしておかなくてはなりません。そのためには、現金出納帳以外に100円を管理する台帳がどうしても必要になります。

 何時、誰に聞かれても答えられるようにする方法として、複式簿記による会計処理方法があります。複式簿記では、現金の増減だけでなく、どのような取引に起因して現金が増減したのかという原因にも着目して帳簿に記録していきます。これにより財産の計算と損益の計算を同時に行っていきます。正確に収支を把握できますが、利用に際し、複雑な知識も必要となります。企業向けの会計手法には相応しいのでしょうが、個人の日常生活の収支には不必要は要素も多くあります。

(2)本ソフトの主な特徴

○単式簿記と複式簿記とも異なる「後見簿記」

 そこで本ソフトでは、後見事務における会計を、家庭と企業の中間と位置づけ、単式簿記の簡明さをベースに、複式簿記の正確さを取り入れました。単式簿記とも複式簿記とも異なる「後見簿記」といえるものです。従って必ずしも複式簿記等の会計基準に沿うものではありませんが、何より後見事務において必要な第三者による検証性を確保できるようにしてあります。

○複数の被後見人等を一括して管理できます

一人の後見人が複数の被後見人の財産を管理する場合があります。1つの家庭の、1つの会社の管理が出来るだけでは足りません。複数被後見人の後見事務は一括管理することができます。

○日々の収支記載するだけで財産目録までを自動作成

本ソフトでは、日常業務において、出納帳などの各種帳簿と業務日誌を記録しておくだけで、後見事務報告の際に添付すべき、財産目録や会計報告書、各種出納帳、業務日誌等をいつでも作成することができます。


○裁判所への後見事務報告を念頭においたスタイル

実務上の後見事務における財産管理の最終目的は、ただ管理するだけではなく、裁判所へ報告し、その監督指導を受けることにあります。従って財産管理を行う上でも、常に裁判所への報告を意識したスタイルで取り組むことが、後見事務の効率化を高めます。


以上のように、このソフトは、家計簿でも複式簿記でもありません。このソフト独自のルールがあります。でも、次に示すルールに従って処理するだけで日常業務に対応できます。

ルール1 1つ1つ箱に入れて管理(財産1つに1つの名前)

現金以外、普通預金にはA銀行・B銀行・・・といくつもあります。不動産もA番地の土地 B番地の土地、Aさんからの借金、Bさんからの借金といくつもあります。

財産は、1づつ、名前をつけた「箱」に入れて管理します。

ですから、新しい財産が発生した場合には、最初に箱を作る必要があります。 

例)仏壇の中から定期預金が発見された場合、最初にこ識別できる名前をつけた箱をつくってからなら、その価値を箱に入れて登録します。

ルール2 財産の増減頻度に応じた対応

○箱の形式は2種類です。

財産のを増減頻度の多寡によって2つに分けます。  

   1)日々変動する財産用の箱 (現金・普通預金) ・・・・・・・・・・・・出納帳形式の箱

   2)日々の変動が少ない財産用の箱 (現金・普通預金 以外)・・勘定科目形式の箱

○箱につけた名前の役割

勘定科目名として使用したり、財産目録に表示する名前に使用したりします。

箱に入れる物 箱の形式 箱の名前(例) 箱の名前の利用先
後見人の管理する現金 出納帳 後見人 財産目録
A銀行の預金 出納帳 A銀行預金
B銀行の預金 勘定科目 B銀行預金 財産目録・勘定科目
A銀行定期預金 A銀行定期
B銀行定期預金 B銀行定期
A番地の土地 A番土地
B番地の土地 B番土地

ルール3 出納帳に記載出来るものは出納帳へ

○各箱の中の財産の変動の記載方法

   現金・普通預金=> 出納帳へ記載

   現金・普通預金以外=> A)出納帳へ記載可能なもの→ 出納帳

                   B)出納帳へ記載不可能なもの→ 資産変動帳

  

状態

大箱
変動の記録
日々変動する財産 1−1 現金 →現金出納帳 現金出納帳に記載
1−2 普通預金 →預金出納帳 預金出納帳に記載
あまり変動しない財産 定期預金 →勘定科目 出納帳に記載出来ないもの→資産変動帳に記載
不動産
負債等 出納帳に記載出来るもの→出納帳に記載

                             

○財産を帳簿に記載するまでのながれ(具体例)

考え方 評価
100万円で土地を買った 資産全体では変化があったのか 現金が減ってA不動産が増えた=変化無し
A不動産はこれまで存在していない最初に名前をつけた箱(勘定科目)をつくる

出納帳に記載できるか可能

出納帳を利用して増減を記載(勘定科目=A不動産煮付けた名を使用する)

考え方 評価
定期解約110万円受領 資産全体では変化があったのか 現金100万=変化無し 利息10万=増えた

出納帳に記載できるか可能

出納帳に資産に対応する部分(100万円)と 増えた10万円を分けて記載

考え方 評価
借金100万円 が免除された 資産全体では変化があったのか 現金は減らないが 負債が減った=変化あり

出納帳に記載出来るか不可

資産変動帳に記載 (得した=資産益が出た)


○財産の変動を帳簿に記載するまでのながれ

最初に引き継いだ財産は、登録専用シートで登録します。

財産管理が始まった後に、引渡を受けた通帳等があっても、すべて「変動・発見・追加」の流れで対応します。